〜歌謡曲に溢れた風景〜日々〜そして洋楽〜

レトロ歌謡曲&洋楽ファンの日々。

南沙織(シンシア)〜潮風のメロディ〜愛の序曲〜若い旅人

やはり、一般的に南沙織は17才〜のイメージが強いですかね。
〜誰もいない海〜二人の愛を確かめたくて〜♪
こちらは、割とテレビでもラジオでも よく掛かりますもんね。

私は断然シングルなら、セカンドシングルの「潮風のメロディ」も、お勧めしたいです。
海の雰囲気を漂わせる、ストリングスのイントロから既に、悲哀を帯びていますね。
歌詞の中にある、もう一言〜言われたら〜恋人でいたのに〜♪

、をどの様に解釈するか、、は人により別れるとは思うのですが、私としては、歌の登場人物の主役の女性は、彼の本当の気持ち、燃え盛る激しい愛を、彼の言葉で直接、聞かせて欲しいと考えて、別れ話を敢えて切り出す事にしてみたのでは無いのだろうか?とか。

また、歌詞内で、夕暮れに彼の事を呼んでみたり、二人の楽しかった日々を、あなたも忘れずにいるかしら?
、と尋ねているところを見ると、別れ話を切り出したのにも関わらず、彼女は彼の存在を未だふと思い出すほどに、とても大切な存在と認識していたらしき事は、想像するに難くありませんね。

そして、今のシーズンにぴったりの、明るく激しい奔放な女性の歌「夏の感情」、、では無くて、このB面である「愛の序曲」について。
これは物凄く私の好きな歌でして、こんなに人の心の機微というか、生きていく事に潜む出逢い、別れ、諦めを表した歌は無いと思う。
南沙織さんも本当に完璧に歌の世界をお若くして見事に表現しています。シットリと深く聴かせる歌唱力をお持ちです。

過ぎてみれば、すべて同じ  耐えられない事など何もないのよ   と現実の前に立たされた女性の心情で締めくくられています。

そして、アルバム内からの「遠い海」も私のお気に入りで、軽快な明るい哀愁漂う歌です。
間に入る、オーティス レディングのDock Of Bayや    小林旭の口笛が流れる港町 の様な口笛が奏でる間奏が、海の果てなさ、広がり、人同士の別れをも包み込む雄大さ、海が持つ人の事など知らぬ存ぜずの飄々とした性質、、を表現している感じです。

また、美しい自然の中を果てない旅に出る若者を表現し、優しく歌い上げる秀逸な「若い旅人」この歌も大のお気に入り。

佐良直美さんの「ギターの様な女の子」のカバー、、欧陽菲菲「雨の御堂筋」のカバーなど南沙織にしか出せない色と味で満ちています。
聞けば聞くほど。南沙織さんの創り出す世界の奥深さ、歌の上手さを見つけてしまいました。