〜歌謡曲に溢れた風景〜日々〜そして洋楽〜

レトロ歌謡曲&洋楽ファンの日々。

高峰秀子〜カルメン故郷に帰る〜カルメン純情す〜織井茂子

高峰秀子さんが、清純路線から脱した、、日本の国産映画で初の総天然色、、カラー映画と謳われた、木下惠介さんの監督の「カルメン故郷に帰る」。



高峰秀子さんは、戦前から小津安二郎さん監督の映画などで名子役として目覚ましく活躍され、、


戦後は、銀座カンカン娘で正統派の可愛らしさのある女優さん として特に知られた方ですね。


この映画では、小林トシ子さん、井川邦子さん、笠智衆さん、、また関口宏さんのお父様である佐野周二さんらと共演され、、


戦後の混乱期の空気感、、古き良き価値観とは真逆の、浮ついた軽薄で いい加減な、むしろ何でもありの風潮を描き出す作品で、、

個人的には混乱期が実は、そんな空気感の時代だったのには驚きです。^^


占領された戦後の鬱屈、失望と幻滅、絶望、、都市での食料難、治安の悪化、、


また多くの方が親戚または家族、、そして家も失い、、あまりの頼るもののなさ、人生の厳しさ、儚さが タガの外れた様な?自由さを助長していたのか、、


それとも規制の圧迫が凄まじく強かった戦中期の反動、、とは思われるのですが...。



そして同名の高峰秀子さんの歌唱された主題歌「カルメン故郷に帰る」は歌詞内にパリやモンテカルロなどフランスの異国情緒の洒落た語彙が散りばめられながらも、、

非常に気怠く退廃的で、どこか愁いを帯びつつも、高峰秀子さんの繊細な歌唱と細かく刻まれたビブラートが相まって、、抒情的なムードを漂わせています。



この辺りで高峰秀子さんが大女優として、歩まれる第一歩、、

今までと比べて一皮も二皮も剥けて、、やや恥知らずともとれる程の やさぐれた?弾けた演技と、破天荒な役に挑戦される事になります。^^



そして続編の、引き続き高峰秀子さん主演の1952年の「カルメン純情す」では、若原雅夫さん、淡島千景さん日守新一さん、、石原裕次郎さん夫人の北原三枝さん、、堺正章さんのお父様の堺駿二さんらと共演されます。


こちらの同名のテーマ「カルメン純情す」は、

(同年1952年の映画 岸惠子さん、、そして中井貴一さんのお父様の佐田啓二さん主演である「君の名は」のテーマ曲の、、

君の名は、黒百合の歌、君は遥かな、、で知られる )織井茂子さんが、、

複雑な語るような口調も巧みな歌を、、間奏にジョルジュ・ビゼーの曲を挟みつつ、、


やや ぞんざいで破滅的、ガラッパチでコミカルな迫力を醸し出しながら、、


途中、明るく軽快な情緒も含ませ、パワフルで卓越した歌唱をされています。^^