〜歌謡曲に溢れた風景〜日々〜そして洋楽〜

レトロ歌謡曲&洋楽ファンの日々。

戦時歌謡〜軍歌〜軍国歌謡 1 〜歴史を知る

日本の歴史的に、、戦時下は人々の士気を高揚させる為に、、また戦局などを伝える為に(またプロパガンダとして)様々な歌謡曲が作られていました。


太平洋戦争時は特にさかんで、、明るく行進曲的なものから破滅的で痛ましいものも沢山見受けられます。


徴兵された兵達は一人一人を大事にされた存在ではなく(事によると軍人の方々も)、、

悲惨な末路を迎えた方々は民間人を含め数えたらキリがない程だと思います。

その救いのなさ、、それこそが当時に生きた方々の現実なのでしょう。



古関裕而さん作曲であり、、

間奏に行進曲の明るさがありながらも、、戦時下の痛切な哀感と、勇猛さ勇ましさの情緒が ハスキーで力強くも、高らかな歌唱に漂う、、伊藤久男さんの「海の進軍」、「北風の歌」



勇猛さがマーチで、高らかにメジャー調で表された「進軍の歌」


伊藤久男さんの歌唱で、壮大で感動的な情緒で暖かなレクイエムの、、


凄まじい激戦の後の現実、、その尊さ儚さをも、魂を慰める様に歌う「海ゆかば



勇ましさに哀しみのマイナー調の映えた「出征兵士を送る歌」



もう片面は楠木繁夫さんの明るく爽やかな、、またコミカルさも滲み出ていて、士気を高める様な楽しい空気感を漂わす軍歌の「轟沈」である、、

(藤山一郎さん歌唱の「怒濤万里」は、アップテンポに、はやる心を映すようなマイナー調始まりからの、、行進曲風に朗らかな明るく鼓舞する曲調に変わる歌です。)


また軍歌には内田栄一さん歌唱の曲「起てよ一億」、、

また「月月火水木金金」など、ドリフターズも歌われたものや、、敵は幾万(明治時代の軍歌)、燃ゆる大空、歩兵の本領、雪の進軍、進軍の歌、元寇、などユーモラスで楽しくノリよく明るい曲調のものも多数あります。



一方で、露営の歌、近衛八郎さんの「兵は軍歌とともに行く」(途中はメジャー調の行進曲が挟まれます。)は、非常に痛ましい玉砕的な歌詞と焦る物悲しさの漂うメロディーであり、、


また霧島昇さんと歌唱された「続露営の歌」は、、ひたすら焦燥の勇敢な前進を歌うマイナー調です。



日露戦争時の歌で太平洋戦争時は厭戦的とされ禁歌だった、、重厚な、とても長さのある歌詞の軍歌「戦友」に似た、、

松平晃さん歌唱の、、色々な軍歌曲を混ぜ込む「歌と兵隊」




勇ましさのマイナー調とメジャー調の入り混じる「抜刀隊」(明治軍歌)

行進マーチの爽やかな勇み立つリズムにのる「日本陸軍」「新日本陸軍




伊藤久男さん歌唱のカップリング曲、、勇猛な勇ましさを掻き立てるマイナー調の焦燥が合唱とともに響き渡る「海底万里」




古賀政男さん作曲で、、戦後も数年に渡り続いたシベリア抑留を、、

シベリアの厳しい気候と風景を描きながら、、

哀切な情緒で望郷の想いを募らせている姿を、焦燥の曲調にこもる哀愁で映し出した「シベリヤ・エレジー



などなど、、先の大戦(またはそれ以前も含めて)悲惨な戦禍の儚さ、言いようのない悲しさ、虚しさを、、今となっては切実に映し出しています。

ご遺族には悲しみだけが戦後残された事でしょう。


前途が閉ざされてしまい、、大義、新年を最後まで信じ抜き、、勇猛ながらも、非業の最後を遂げざるを得なかった方々を想う為の、避けては通れない歌であるとも言えましょうか。。



そう考えるとき、軍歌〜戦時歌謡〜軍国歌謡は忘れてはならない沢山のことを今に伝えてくれていると私は考えます。^^


(私は おじいさんが、戦後何年にもわたり、シベリア抑留されているので、その過酷さを少し伺っています。)