〜歌謡曲に溢れた風景〜日々〜そして洋楽〜

レトロ歌謡曲&洋楽ファンの日々。

河原喜久恵〜麗人の唄〜春の鳥〜ザッツ・オー・ケー〜銀座のモダンガール

河原喜久恵(河上喜久代)さんは、東京藝術大学で声楽を学ばれた方で、ヒット曲を戦前に連発されていますが、、


満州に渡った後に、、終戦後に引き揚げられた後は歌手として世に復帰しなかった為に、、引退も戦前だった人です。



島津保次郎さん監督で、栗島すみ子さん、岩田祐吉さん、八雲恵美子さん、奈良真養さん、藤野秀夫さん、子役時代の高峰秀子さん(なんと男の子役)、、ら出演の1930年の松竹映画 麗人  のテーマであり、、

重厚な器楽が淡々とマイナー調に流れていき、たいへん重苦しい哀感の曲調が胸に迫る「麗人の唄」



モダンな洋風のサウンドに多様な器楽が、厚い存在感を発揮していて華やかであり、、

焦燥のリズムで叙情的に儚く悲哀を描き出し、、リズミカルで軽やかな歌唱が弾む「東京小唄」



明るく軽快なソプラノ歌唱が、非常に高らかで、元気よく溌剌とした行進曲での情景描写が楽しい「海の行進曲」



1930年当時として、大胆で現代的なモダンガールの心情や行動を正直に映し出していて、、

重厚で重たいマイナー サウンドが濃厚に、高らかな歌唱と相まって心地良く響く「銀座モダンガール」



間奏に柔らかなクラシックの愛の夢が挟まれながらも、、

モダンな焦燥の滲むマイナー調で痛切に訴えかける様な歌唱に、、無機質な合いの手がコミカルで面白い、、当時のヒット曲「ザッツ・オー・ケー」



麗人の唄のB面であり、、淡く緩やかな情感、そして しみじみと優しく情景を、和の趣を残しながら叙述していく「春の鳥」




初期の古賀政男さんのヒット曲であり、、ギターのマイナー調の音色の寂しさが、、

サウンドの抑揚も かなり控え目に別れの悲痛さを浮き彫りにした「月の浜辺」




軽々しく身を任せてしまう、寄る辺ない寂しい気持ちを持て余す様を描く、、重たくマイナーなサウンドの情感が胸に迫りくる「だって淋しいからなのよ」



などなど、昭和初期の等身大で自由な女性像を映し出した歌詞ながら、、強烈なドスが効いた低音の響き渡る重厚な洋風の楽器サウンドが見られ、、

それに非常に高いソプラノ歌唱が見事に乗っています。


これらのヒット曲からも洋装の華やかなモダンガール、モダンボーイの存在していた、、世界恐慌の余波を受けつつある昭和初期の時代を偲ぶ事ができます。^^