〜歌謡曲に溢れた風景〜日々〜そして洋楽〜

レトロ歌謡曲&洋楽ファンの日々。

丸山和歌子 1 〜春の夜の唄〜春ぢやもの〜銀座志ぐれ〜

丸山和歌子さんは戦前の1930年代には良く知られていた方の様で、人気歌手だったことが、うかがい知れます。その後は忘れ去られてしまった様でした。



その歌唱は非常に特徴的で、芸者さんの様な巧みな技巧から、またクラシック由来と思われる類まれなソプラノ高音まで操り、音楽の天賦の才能を感じます。^^



1931年の映画 トロイカ からの、、

非常に軽快に無理なく綺麗に高く上がる極めて高音の歌唱がクラシック音楽の素養を感じさせ、朗らかな明るさが優しく暖かな「春の夜の唄」




1933年の曲で、和の囃子の様な民謡調であり、淡く静かなマイナー調に、芸者小唄の様な歌唱が薄っすらとした、何故か不思議と湧いてくる哀しみ叙情を漂わす「春じゃもの」(春ぢやもの)



江口夜詩さん作曲の、軽やかで柔らかなリズムと明るい軽快さが流れていく、なかなか逢えない二人の寂しさを淡く映し出す「紅の帯」



1932年の西岡水朗さん作詞、古賀政男さん作曲の、、緩やかに明るく弾む様な曲調で、春の到来により、なぜか落ち着かない心の揺れを暖かに描き出す「風も吹きよで」




儚く寂しげで シットリとしたマイナー調に、日本古来の文語調の美しい歌詞ながら、レインコート、ネオンなどモダンな情景描写のある「銀座志ぐれ」



などなど、間に自然で、決して大袈裟とならない伸びやかなソプラノ高音を 歌の流れのまま、ソツなく発揮され、、また時には気負わない正直な歌唱ともなり、


歌により正に変幻自在で、相当な歌唱の実力の高さが現れていました。^^