丸山和歌子 2 〜年のころ〜青空〜小雨の港〜若き女性の悲しみ〜
1905年生まれの丸山和歌子さんは、1907年生まれの淡谷のり子さんと同じ現 東京音楽大学の出身で、、
技術面では淡谷のり子さんに全く引けを取らない程のソプラノ歌唱能力の高さを見せています。^^
男性との掛け合いの歌唱がとてもユーモラスで、、軽快な弾むシットリとした明るさが剽軽で楽しい「戀のパラソル」
岡田嘉子さん、伯母の女優 森律子さんで知られた森赫子(かくこ)さん、江川宇礼雄さん、大山健二さんらの出演された1933年の映画 さすらひの乙女 主題歌であり、、
軽く弾む様な明るいモダンな曲調に華やぐ若々しさが生き生きとテンポよく、、民謡調の豊かで繊細な歌唱の節回しでとても技巧的に歌われた「年のころ」
1933年の、千夜子を演じる夏川静江さん、市川春代さん、田村道美(みちよし)さん、滝口新太郎さん、、
俳優の中田博久さんのお父様である中田弘二さん、井染四郎さん らの出演された映画 未來花(未来花)からのテーマで、
和の哀感の重苦しい静かな情緒に深い乙女心の揺れを描き出す「千夜子の唄」
時雨みどり の名で録音されている曲で、
軽快なウクレレなどの、静かな異国風の器楽のサウンドに、リズミカルで軽やかに跳ねる様なソプラノ歌唱が、明るくシットリとした情緒を漂わせる「小雨の港」
岸文代さんとして録音された、マンドリン奏でるハワイアン風の爽やかで優しい曲調が、とても緩やかでエキゾチックな「青空」
芸者さんの小唄の様な、そこはかとない恋にある待ち遠しい哀感の薄っすら漂うマイナー調の「お手紙頂戴」
どこか剽軽さのある、、暖かで優しい曲調に、語りかける様なユーモラスさのある、不思議と高鳴り抑えられない心を歌い、、当時のネエ小唄と言えそうな「どうにかしてよ」
映画 嫁入り前 からの曲であり、
モダンな焦燥のマイナー調のアップテンポなリズミカルさから、、流れる様に日本的な哀感の曲調に転調し、歌唱の高らかさの後にオチの様に音を落とす様に締めくくる、、
現代には無い、不思議なムードで、嫁入り前の不安と喜びの 期待に揺れる心境を表す「一度見たとき」
モダンさと日本調が融合した様な、非常に明るく面白いサウンドで、、
歌唱も、感情をそのまま正直に表すかの様な、包み隠さず開けっぴろげ感の溢れていて、、
悩みを歌いながらも、とても楽しい歌「若き女性の悲しみ」
などなど、淡谷のり子さんのライバル的なクラシックな歌唱技術の高さ、細やかさ、繊細さの応用力を和洋に対応して持ち合わせながらも、、
なぜか早々と次の時代には人気が廃れ、忘れ去られてしまった、かなり悲劇の歌手と言えそうです。^^汗