〜歌謡曲に溢れた風景〜日々〜そして洋楽〜

レトロ歌謡曲&洋楽ファンの日々。

徳山璉 3 〜彌次 喜多 花見道中〜銀座ステップ〜色はにほへど〜

徳山璉(たまき)さんは歌い方も極めて豪快な迫力と明朗さが滲んでいて、、


豪胆で豪傑な、あまり小さい事には拘(こだわ)らない人物かと思いきや、、実は内面はイメージと全くの真逆で大人しかった様です。^^




優しく暖かな晴れやかさで、軽快に弾む、やや剽軽さの漂う明るい曲調に、、甘く儚い恋の終わりの辛さを正直な歌唱で歌う「戀ざんげ」




藤澤五郎としてレコード録音された、、

非常に妖しげで意味深な歌詞の映える、、情感の漂う、重たげなマイナー調に驚かされる「銀座ステップ」


マイナー調の重たいムードから、間奏の中間に爽やかな明るさが一瞬だけ混じり、、


その不思議な爽やかさを挟みつつ、男女の情的で あまりにモダンであり、時代的にも やや露骨な心情を正直に描いた「色はにほへど」(モダンイロハ唄)




小林千代子さんとの お互いの腹の探り合いの様な、、男性からの(徳山璉さんによる歌唱らしく、どこか おどけていて剽軽!) あからさまに下心のありそうな雰囲気のある、、

 大袈裟な女性側への褒め言葉さえも、軽く いなしてしまう女性の軽快な歌声が高らかで逞しい、、


そんな掛け合いの歌唱表現が、非常に笑えるほどに面白おかしく、、


また、お二人のクラシカルで技術の高い (徳山璉さんは人物になりきり、感情まで器用に映すバリトンで、、小林千代子さんのソプラノには美しい上品さが漂います。)歌唱に、、


コミカルなユーモラスさが不自然さもなく映えていて楽しい曲「彼女のイット」(サノバガン節)  


 サノバガン(son of a gun)は英語表現で、驚きや失望、怒りを表したり、、または罵倒語の一種で、畜生!などの、やや下品な意味の様です。^^汗


あと イットは当時のクララ・ボウの映画からで、、女性的な魅力の事らしいですね。^^




クラシカルで正直なバリトン歌唱が冴え、、重くるしいモダンなマイナー調が過ぎ去った恋を哀感の情緒で物悲しく偲ばせる「夜の酒場に」




市丸さんの艶やかな発声の歌唱に、徳山璉さんの早口の滑舌の良さと巻き舌も愉快であり、、


古川緑波(ロッパ)さん、市丸さん らと共に、浮かれて踊りだしたくなる様な、三者三様に明るく楽しさ溢れる民謡調のサウンドに見事にのられた「弥次 喜多 花見道中」



などなど、徳山璉さんは30代後半という、かなりの若さで亡くなられたのが非常に惜しまれます。



徳山璉さんは歌唱法も東京藝術大学で学ばれ、、

ちゃんとした基礎のある 粋なクラシックまたオペラ仕様のバリトンボイスでありながら、、


あまりに遠慮のない、はっちゃけた様な歌唱と、ミュージカル風の独特の腹の底からの溌剌とした大きな明るい笑いの発声、、


そして所々ある巻き舌の駆使は面白おかしくて、聴いているとクセになる程のものです。^^