織井茂子 1 〜君は遥かな〜静かな夜のビギン〜東京無情 / 君いとしき人よ〜数奇屋橋エレジー〜忘れ得ぬ人〜伊藤久男
織井茂子さん伊藤久男さんは、非常に類まれな歌唱技術を持ち、その実力は凄まじく、、
人の秘められた情感を、歌で描き出すことに驚くほどに長けた方であり、その胸に迫る歌唱は時に涙を誘い、、時に、剽軽でガラッパチ、捨て鉢な歌唱で笑いをも誘います。^^
映画 君の名は からのテーマで、佐田啓二さんと歌唱され、、
焦燥の哀感のただようマイナー調にある、シットリとした淡い叙情が細やかに流れていき、胸に沁みる歌唱をされた「君は遥かな」
(同じく古関裕而さん作曲の、伊藤久男さんによる歌唱の当時の映画音楽の様な壮大なサウンドで、、
マイナー調に やるせない哀感の心情を深々と深遠に余すことなく味のある歌唱で描き出した「君いとしき人よ」も、、
マイナー調ながら、優しさと暖かさがそこはかとなかく宿っていて、シットリとした哀感が周りを包み込む様な「数奇屋橋エレジー」
繊細で細やかな変化を付けたクラシック〜オペラの卓越した味わいのある、、
哀切さにある静かな温もりの情感が、重苦しいマイナー調に緩急、強弱の複雑な歌唱から見事に漂う、、
切に聞かせてくれる卓越して表現豊かな「忘れ得ぬ人」
、、もこの映画のテーマでした。^^)
最初の短い間奏の一瞬だけ、淡く優しく柔らかでシットリした明るいメジャー調ながら、、
非常に深く繊細で落ち着いた、物悲しいマイナー調が胸に迫る、マドロスさんとの別れの情緒が細やかに豊かな「雨のオランダ坂」
原曲である渡辺はま子さんの1947年のバージョンは、、焦燥のアップテンポに溢れる儚い寂しさと、より真っ直ぐな実直さの歌唱が前面に出た、また別の折り目正しい歌の味わい、趣があります。^^
1955年の岩谷時子さん作詞、原 六朗さん作曲による、、甘く優しいロマンティックな情緒が淡く穏やかに シットリと流れていき、、
間奏はメジャー調からマイナー調に美しく移りながら、、夜の情景を洒落たセンスで流麗に映していく、織井茂子さんの繊細な歌唱も秀逸な「静かな夜のビギン」
1957年の船村徹さん作曲で、、
東京で人の冷たさを感じる、どうしようもなく惨めな心に追い詰められ、、その絶望へと至る情感を見事に細やかに、かつ歌劇の様に力強く歌われた「東京無情」
捨て鉢風のヤケになった女性のよるべない悲しみの心情ををマイナー調で切なく表した、、終幕の様なキリのいいオチの様な曲のサウンドの終わり方も特徴的な「夜が笑っている」
などなど、オペラ クラシック由来の織井茂子さん、伊藤久男さんの歌唱は極めて格調高くて、、本場のイタリアなど、世界にも そのまま通用しそうな、、実力を持っています。^^
(悲惨な戦時下を体験した事も、お二人の表現力に多大に影響を及ぼしたと思われます。汗)
あまりの想像以上に素晴らしい歌唱に感激してしまいました。^^