〜歌謡曲に溢れた風景〜日々〜そして洋楽〜

レトロ歌謡曲&洋楽ファンの日々。

〜宍戸錠〜肉体の門 (1964年 昭和39年)

1964年の日活映画、「肉体の門」について。

主演は宍戸錠さんな感じです。時代劇でお馴染みの女優さんである野川由美子さんや、あと松尾嘉代さん、とかも出ています。(お二人とも、劇中では獣の様に暴れて、暴力を振るいながら裏切り者には鉄槌を加え、怒鳴り散らします。相当に怖い。^^

あの桜蔭学園中学校、高等学校〜東大法学部卒の官僚〜国会議員である豊田真由子氏にも全く引けをとっていません。まあ世のお母さん方も怒ったら皆んなあんな感じかとも思います。^^笑)


あとは石原裕次郎さんに似ていると言われた和田浩治さんも。割と端役ですが印象的に出演されてます。(彼は歌手の梓みちよさんや、老舗の銀座のクラブ「順子」の オーナー田村順子さんと結婚された事で有名ですね。)



そして、この映画には、どちらかと言うと、蓮っ葉な感じに、女性の裸体ばかりを描く、エロティシズムを主眼、ど真ん中に据えただけの様な、浅はかな作品の様な印象は受けますが、シニカル、ハードボイルドさや、男らしさ、男性性をも被写体にもしている作品でもあります。


弱肉強食とされる戦後の闇市を闊歩して歩いていく宍戸錠がとにかく肉体派であり、かつ野蛮、品性のかけらも感じさせず野性的で暴力的、また作品中とりまく女性達の暴力性、野性性、逞しさ、そして、ある種の女性優位な視点でも描き出されています。女性をか弱く、大人しい存在としてはいません。(こう言う作品だから、余計に誇張もあるのでしょうが。女性の凶暴性、残忍性も浮き彫りにしています。^^)


ネタバレになりますが、まあ作品の雰囲気も示す通りハッピーエンドとはいきません。


この時代は戦前、戦後を実際に体験した方々が多数、御存命だったので、実情に合った救いのない展開はむしろ実に、よくできていると言える、、のでは無いのでしょうか。