〜歌謡曲に溢れた風景〜日々〜そして洋楽〜

レトロ歌謡曲&洋楽ファンの日々。

伊藤久男 1 〜建設の歌〜我が家の風〜戦時歌謡〜軍国歌謡〜軍歌

伊藤久男さんはバリトンボイスと表現される、


艶のある 聴きやすい高めの声質で、、そして早いテンポにも対応した、、極めて柔軟性のある変幻自在の軽快さと、、

また細かなビブラートで繊細な情緒を映しだす歌唱が特徴です。



長谷川一夫さんと李香蘭(山口淑子)さん主演の、、白蘭の歌、支那の夜 と共に大陸三部作とされた主演映画 熱砂の誓ひ のテーマ曲であり、、

古賀政男さん作曲の、、

戦時下らしく勇猛で壮大で情感溢れた展開をする、、疾走感と軽やかな流れる様な歌唱が非常に爽快で力強い「建設の歌」(熱砂の誓い)



戦友の死や、望郷など、静かな悲痛さの想いが、、曲から強く漂う、非常に悲しく重苦しいマイナー調の曲である「湖上の尺八」




古関裕而さん作曲で、、戦意や士気を高め、鼓舞する様な軍歌的な情熱のある「暁に祈る」



二葉あき子さんと共唱され、、繊細で情緒のある哀感が焦燥感の中に漂い、 ながらも間奏が非常に明るく調子を変え、センチメンタルさを和らげてくれる「白蘭の歌」



1933年の淡々と どこか心にある、どうしようもない儚い寂しさを静かに歌う「今宵の雨」



1936年の嵐の中の馬車での荒れた天候を臨場感と疾走感で歌いあげた「嵐を衝いて」



故郷を離れて別れた、恋しい人の面影を、、都にて、、その想い出を感傷的に、ソッと振り返っている「別れ来て」



同名の映画のテーマであり、、

焦りはやる心の疾走感と、非常に情感の溢れた、遥かな哀切さのある、、流れる様な曲調ながら、、苛烈な玉砕がテーマとなり陰鬱で重い「我が家の風」



効果音に戦場の臨場感と不穏さがあり、、どこか悲哀の哀感と、逃げ道のない勇ましさが胸に迫る「弾雨を衝いて」



古関裕而さん作曲の、、

焦燥の曲調にこもる切なさに、、命を賭す凄まじい気迫、そして この時代にあった強く暗い執念の重々しさ、暗澹たる世界観の、、戦時下の軍国主義の現実がハッキリと映る「あの旗を撃て」「露営の歌」「続露営の歌」「索敵行」



映画「あの旗を撃て」のテーマである、、李香蘭さんも歌唱された、、


幻想的な淡く柔らかな優しい曲調で、、遠い南国の戦地にて安らいだ ひと時に、幻の故郷を見る幸せな姿を描き、、繊細な歌唱が澄み渡る「雲のふるさと」



などなど、、軍歌、軍国歌謡とされるものの中の伊藤久男さんの歌唱の描き出す世界観は、、

気が滅入る程の重苦しいものが多く、、闘いによる死の暗示と、それを勇とともに駆り立てる歌詞の言葉と音楽の救いのなさ、痛切さが、暗い当時の戦時下の世相を反映しています。


(古関裕而さん作曲の藤山一郎さん歌唱の「英国東洋艦隊潰滅」高木東六さん作曲「空の神兵」、、など行進曲の様に華々しい明るさで鼓舞する様な豪華なものも存在しています。)