〜歌謡曲に溢れた風景〜日々〜そして洋楽〜

レトロ歌謡曲&洋楽ファンの日々。

岡晴夫 2 〜幸福はあの空から〜花売娘シリーズ〜流転のマドロス〜若いマドロスさん〜青春のパラダイス〜東京シャンソン

岡晴夫さんは、上原げんと さん作曲による歌、、ご当地ソング、各国ソングとも言える異国への憧れを掻き立てる様な花売娘ソング等を含めて、たくさん歌われているのが特徴で、、


その曇りのない名前の通り晴れやか、かつ朗らかなテノール歌唱は戦中、戦後の当時の人々の先の見えない鬱屈した心を明るく照らした事がよく分かります。^^



1954年の曲で、、シットリと優しく静かな情緒に、混乱期の哀感と悲愴さ  すらも何処と無く淡く漂う「幸福はあの空から」


淡く優しい情緒が、美しい長崎の風景と共に朗らかに流れていく「長崎の花売娘」


1951年の曲で、重苦しい戦時下風なマイナー調から、明るく高らかな曲調に自然と叙情的に移り、、
曲の終わりも朗らかな楽しい希望を描くような余韻を残す、なんとも不思議な展開の歌「東京・神戸・長崎」



淡く軽快な優しさと、美しい異国情緒がほのかに香る様に漂う「南京の花売娘」


広東の夜景のシットリとした趣きを余す事なく映し出した、明るく華やかなムードの「広東の花売娘」


ゴージャスで、ジャジーかつモダンな匂いがしていて、楽しく派手で豪華な雰囲気をまとう「アメリカの花売娘」


身の上の悲しさを暗示した、淡く遥かな哀感が珍しく上原げんと さん作曲のマイナー調に静かに儚く映しだされた「想い出の花売娘」



戦後間もないヒット曲で、、優しく淡い深みのある静かな優しさと明日への展望の漂うメジャー調でありながら、、
寄る辺のない哀愁を まとわせた哀しさが、、どこか薄っすらと流れていく「東京の花売娘」



底抜けに弾む様な軽やかなリズムにのる、ご当地を意識した楽器サウンドに、、幸せな心踊る嬉しさと別れの悲しみの醸し出された「霧のカラカス花売娘」


岡晴夫さんの歌われている花売娘シリーズのなかでは、、やはり「東京の花売娘」と後々の1963年に発表された「霧のカラカス花売娘」 は全く異質な、そっと哀感を帯びた作品であり、、

戦前の花売娘シリーズからの朗らかな楽しげな明るさと、エキゾチックな他国の雰囲気、また異国の文化圏への憧憬を継承した作品とは非常に一線を画しています。
(終戦の東京の現実を歌っていて、密やかな人々の先行きの見えない、不安で覚束ない気持ちに寄り添っていると言えそうです。)


呑気で気ままに各地に流れていくマドロスさんの生き様や姿を軽やかな朗らかさで、明るく楽しげに歌う「流転のマドロス


若々しく、港の酒場で楽しそうに、喜び華やぐ、、元気で溌剌としたマドロスさんの姿を生き生きと明朗に、、かつ暖かい眼差しを向けている様を、歌いあげた「若いマドロスさん」



1946年のマイナー調の焦燥のアップテンポなサウンドに、岡晴夫さんの歌唱のテナーな軽やかさが冴え、
さらに若々しい溌剌さを添える「青春のパラダイス」



焦燥感のサウンドのマイナー調に、戦後の風景がそのまま、、リズミカルな岡晴夫さんの歌唱で希望とともに描き出されていく「ニュー・トウキョー・ソング」



1947年の曲であり、、戦後混乱期、復興期の儚げで静かな愁いを内に秘めながらも、、

モダンな暖かで優しく包み込む様な明るさが、明日への望みや希望を託して高らかに歌われている「東京シャンソン



などなど岡晴夫さんのテノール歌唱は非常にリズム感のある歌に適性を発揮していて、、
巧妙に、それでいて爽快に吹き抜ける風の様に歌い上げていかれています。^^