〜歌謡曲に溢れた風景〜日々〜そして洋楽〜

レトロ歌謡曲&洋楽ファンの日々。

岡晴夫 1 〜国境の春〜大陸第一歩〜港シャンソン〜上海の花売娘〜港雨降れば

岡晴夫さん(愛称はオカッパル オカッパレ)は戦前から非常に人気のあった流行歌歌手で、マドロス物の原点とされるヒット曲を多数歌われています。

その歌声は高めであり、楽しげで、やや有頂天とも言える様な、高らかな明朗快活さを余す事なく発揮されています。^^


岡晴夫さんのデビュー曲で、ソ連との国境の旅を焦燥の寂しげなマイナー調で、なだらかに歌われた、、間奏には、淡く暖かな明るさを持つ「国境の春」


緩やかで情緒的、かつ静かで穏やかな日本的な曲調に、、希望に溢れた 華やかな異国の情景を岡晴夫さんらしい、高らかな歌唱で叙述する「大陸第一歩」


異国への憧れを掻き立てる様な美しく流れる様な表現と、軽やかで明るい情感の優しく漂う「上海の花売娘」


上原げんと さん作曲の、、
淡く遥かな、あての無いマドロスの人生、そして恋、、港の別れを、モダンな歌詞に、趣きも明るく暖かに心情を映し出す「港シャンソン


別れの哀感も洒落た歌詞に、、メジャー調に軽やかな中に淡いムードのある、穏やかな優しさを そっと滲ませる「港ヨコハマ花売娘」



弾む様な軽快なリズムにのり溌剌とした高らかな歌唱に、、楽しい若さを映し出す「マドロスの唄」



モダンであり、シットリと静かな情緒のサウンド、、淡く優しい想い出の叙情を そっと余韻を残して描き出した名曲「港雨降れば」



杉勇さん、2枚目俳優 井染四郎さん らの出演された、、火野葦平さん原作の作品と 同名の映画 土と兵隊  からの、、

焦燥の哀感の漂う重苦しいマイナー調に、、戦時歌謡らしい、闘いへと前進するしかない物悲しさを切実に秘める「今日も勝ったぞ」



などなど、、底抜けに明るく楽しい、夢のある曲から、、
儚げで、また情感の深みを感じさせる曲も歌われていて、戦時下〜戦後の人々の心を捉え、支える存在だった事が窺い知れます。^^

豆千代 1 〜夕日は落ちて〜恋はひとすじ〜曠野を行く〜だつてね

豆千代さんは、戦前の流行歌歌手であり、、芸者でありながら 歌手活動もされ人気を博した お一人として  一時代を築かれた方で、、

当時の歌手はクラシックの声楽由来の歌手と人気は双璧をなしていました。^^



和の民謡調での日本的な静の情緒で、、芸者の揺れる恋を描き、中山千夏さんの様な正直な歌唱をされた「恋はひとすじ」




江口夜詩さん作曲で、、焦燥のマイナー調に、、モダンな歌詞で、淡く儚く恋に散る乙女の姿を描く悲恋の「喫茶店哀話」




焦燥と やや物悲しさのある軽やかな曲調に、情景の描写の歌詞に、情緒的な芸者歌唱を美しくのせた、、あてのない儚さの醸し出される「夕日は落ちて」




流行歌の歌唱とは かなり異なり、、

浪曲に通じる技巧の高さ巧みさ、、芸者としての本領を存分に発揮されていて素晴らしい歌唱の「玉菊灯籠」




間奏に哀感と爽やかさを交互に漂わせながらも、、

明るく優しいサウンドに、やや淡々と旅の情感を、文語調で豊かに叙述され映し出した、、松平晃さんと歌われている「曠野を行く」(こうやをゆく)



明るく軽快であり、、その純粋な芸者唄な曲調と 節回しの歌唱が、淡い趣の漂う「廻り灯篭」




尾崎紅葉さんの原作の未完成である小説 金色夜叉 の世界を描き、、

松平晃さんとの、、淡く遥かな哀感の漂う、悲恋の運命にある二人の心情の揺らぎをマイナー調に歌う「貫一お宮」




モダンな歌詞を民謡のダンチョネ風に韻を踏んで歌い、、

民謡歌唱も非常に得意な伊藤久男さんとのユーモラスな掛け合いが楽しい「だつてね」



などなど、、豆千代さんは流行歌では、癖のない正直な歌唱、、やや淡々とした歌唱が特徴ですが、、


民謡、小唄となると別人の様に優雅で、凛とした芸者然とした姿を、輝かせ始めてユニークです。^^

小林千代子 1 〜涙の渡り鳥〜利根の朝霧〜もしも男であったなら〜戀知りそめて

小林千代子さんは、東京音楽大学で学ばれ、クラシック声楽の出身の流行歌歌手で、、日本初の国際的オペラ歌手の三浦環さんの門下生でもありました。(他には、李香蘭こと山口淑子*1さんや由利あけみ さんなどが門下にいます。)


また小林千代子さんも、悲哀に満ちた曲から、戦時歌謡、、そしてコミカルでユーモラスなものまで、非常に幅広く歌唱されています。



坪内美子さん、竹内良一さん、澤蘭子さん、岡譲二(岡譲司)さんらの、1932年の同名の映画からの、、

明るくリズミカルな曲調に、モダンな爽やかさが走り、、高らかな歌唱の冴えた「涙の渡り鳥」



佐伯孝夫さん作詞、中山晋平さん作曲で、同名の1934年の岡譲二さん、川崎弘子さん、栗島すみ子さん、、

谷崎潤一郎さんとの交流で知られているドイツ系ハーフの江川宇礼雄(うれお)さん らの出演された映画からの、、


和の情緒で、淡く儚い恋の哀しみを静かにマイナー調で映し出す「利根の朝霧」



東海林太郎さんの「国境嵐」と作曲者(飯田景応さん)が同じで非常に類似したメロディの、、

哀感の焦燥感がマイナー調の曲に合わせ、繊細な情感で伝わってくる「旅の踊り子」



弾む様なモダンな軽やかさと明るさで、、女性の大胆な胸の内をコミカルに歌う楽しい曲の「もしも男であったなら」




小林千代子さんもネエ小唄らしきものを歌われていて、、


これは1936年の渡辺はま子さんの「忘れちゃいやョ」に始まり、、

、、渡辺はま子さんの更に次の発売曲の、モダンで明るく爽やかで健康的な艶美さが大きく増した、、

(桑野通子さん、佐野周二さんの出演された映画 淑女は何を忘れたか、、にも劇中で使われている)「とんがらかっちゃ駄目よ」、、

から当時流行していた、艶めいた語り掛け?吐息?の お色気風のため、後に内務省から発禁となる、ネエ小唄という大ヒット流行歌があります。

(とはいえ、今の方が聴くと、割と普通に聞こえるレベルです。^^笑)



(他には、ビートたけし さんの師匠の深見千三郎さんの姉である、浅草で人気芸者をしていた、芸者歌手(鶯歌手)の 美ち奴さんの しな垂れ掛かるような芸者的な節回しが特色の「あゝ それなのに」、、

ミス・コロンビアさんの「ふんなのないわ」などの、、ネエ小唄があります。)


小林千代子さんの非常に高いソプラノ高音での歌唱が光る、、ネエ小唄の一種の様な、艶やかな声の入る小唄風の「アラ恥しいわ」



叙情的なマイナー調に、淡く遥かな愁いの情感の流れていく「儚い影」



夏川静江さん、ヘレン隅田さん、藤山一郎さん、徳山璉さん、小唄勝太郎さん、浅草市丸さん らと共に小林千代子さんも出演された映画 百萬人の合唱 のテーマであり、、


(婚約者の小林千代子さんと別れて夏川静江さんを選んだためスキャンダルを巻き起こす事になる)飯田信夫さん作曲の、、


ミステリアスで退廃的な気怠さの漂う、複雑な進行の重苦しげなマイナー調が、、哀しくも深い情緒に溢れ、歌唱の抑揚での情感表現の豊かさが素晴らしい「戀知りそめて」




などなど、本格的なクラシックの素養に由来する、、

その卓越した歌唱、、ソプラノの中でも、凄まじく高い部類の音程に自然に至る歌唱は圧倒的な為、聞き応え十分となっています。^^



*1:よしこ

美空ひばり 5 〜河童ブギウギ〜港町十三番地〜港は別れてゆくところ〜マドロス物

美空ひばり さんは時とともに、、民謡〜演歌調の中にも、自由自在にクラシックの様に繊細で情感の豊かな抑揚を駆使される ソプラノ歌唱も身に付けていかれる様になります。


そして海への親和性が非常に強く、1950年代〜60年代にかけて特に沢山のマドロス物を歌われています。^^



1949年に美空ひばり さんが、川路龍子さん、奈良光枝さん、岸井明さん、森川信さん、池真理子さん らと出演された映画 「踊る竜宮城」 中の歌で、、


笠置シヅ子さんを強く意識し、溌剌とした楽しさの盛り上がりが弾けた、割と子供らしい雰囲気の元気で陽気なブギーで、、美空ひばり さんの最初のオリジナル曲とされる「河童ブギウギ」

(古川ロッパさん、、そして 「あきれたぼういず」 で知られたコメディアンで、美空ひばり さんの歌い方の原型とされる川田晴久*1さんやダイナ ブラザーズの方々らとともに出演された歌謡映画 ひばりのアンコール娘 という作品では、笠置シヅ子さんのカバー曲のブギーを、ジャングル ブギの替え歌を含めて複数、歌われています。)




上原げんと さん作曲でり、、和の情緒が緩やかにシットリと、、演歌色が濃いながらも軽快に優しく流れていく、初の紅白出場曲の「ひばりのマドロスさん」




船村徹さん作曲で、、

和の民謡的な明るい演歌調で、、そっと三味線を弾く洒落たマドロスさんの胸の内を歌う「三味線マドロス



男性目線の台詞が粋で、ゆったりとした淡く暖かな趣をそっと、永遠の別れに添えている「初恋マドロス



和の情緒に、高音の歌唱のまま、粋で明るく弾む様に歌い切る情感が豊かで元気に溌剌とした「浜っ子マドロス



軽やかなサウンドが明るいながら、、歌詞に どこか別れの哀しさを高らかに滲ませる「君はマドロス海つばめ」



穏やかな重いマイナー調に、親の衰えへの抑えきれない哀感と、親子の深い愛情の絆が、静かに描き出され、演歌調に表現されていく「波止場だよお父つぁん」



小林幸子さんの「ウソツキ鴎」(こちらも、シットリとした叙情性もたいへん見事なのですが、コミカルなユーモラスさが やや勝るかな?といった曲調と歌詞です。)の様に、、

女性目線のマドロスさんとの淡い遥かな過ぎ去った恋の想い出の歌詞に、、


抑揚の情緒表現が見事で巧みであり、、ソプラノな高音のファルセットを連続させ、、哀切さ、辛く苦しい悲恋を、、叙情的に ゆっくりと流れる、洒落た穏やかで優しいムードに匂わせる「港は別れてゆくところ」




1955年の上原げんと さん、西沢 爽さんコンビによる、、もう帰らぬ人への想いを、情感の漂う、静けさの曲調に漂わせた歌「あの日の船はもう来ない」



やや重苦しいマイナー調で、海の旅の哀愁を、民謡の節で、奥深い心情を丁寧に表された「鼻歌マドロス



船村徹さん作曲の、掛け声も粋な、軽快でモダンなサウンドに抑揚の効いている朗らかな歌唱が冴える「ひばりの船長さん」




星野哲郎さん、遠藤実さんコンビの、、

モダンな明るさに転調の寂しさが浮き彫りにされ、またメジャー調に戻る展開が船長さんの、秘めた心情に寄り添っている「ヨコハマ物語」



軽やかなサウンドに、マドロスさんの港町での束の間の安堵と、情緒的に胸に秘められた涙の別れを暖かな眼差しで歌う「港町十三番地



高倉健さんと共演された映画のテーマで、、楽しい暖かな曲調にマドロスさんへの恋い焦がれ、、また海への憧れが高らかに表情豊かに描かれた「青い海原」



万城目正さん作曲の、、港町の淡く遥かな過去の恋をそっと振り返り、、寂しさを そっとロマンティックなサウンドに包む「港町さようなら」



女性側が迎えに来て 運命の再会を果たした歌詞が、気っ風が良くて豪快ながら、、その しっとりと落ち着いたサウンドにも、ユーモラスな楽しさのある「ご機嫌ようマドロスさん」



島倉千代子さんの様に細やかな繊細さで、異国情緒と憧憬を暖かで柔らかに映す、、「花のオランダ船」




束の間の久々の嬉しい再会に、弾む様に心を踊らせている、、たいへん陽気なリズミカルさがユーモラスな「お久しぶりネ マドロスさん」




どうしようもない、果てない侘しさの悲しみが溢れているマイナー調が、心に未だに残る辛さを滲ませた「さよなら波止場」



などなど、横浜 磯子の海辺の出身の美空ひばり さんは、多数の、、船乗りであるマドロスさんをモチーフにした歌を歌われていますね。^^


そこには余す事のない情緒が ふんだんに織り込まれていて、時には悲痛で物悲しく、時には華やかに明るく 喜びに満ち溢れた余韻を、、

実に様々に、それぞれの曲に応じて多彩に残されています。^^




私も友人の一人と 兄が磯子に住んでいるので、磯子には何度も行って案内して もらったり泊まったりもしていまして、、


小高い丘の上にある場所のマンションなのもあり、上から港や防波堤を見下ろす形の、、磯子の風景には僅かばかりの馴染みがあります。

磯子からは横須賀の海の辺りまで見渡せて、海や船など異国への憧れを駆り立てる、、とても綺麗な場所でした。^^


*1:当時は川田義雄

徳山璉 2 〜さくら・さくら〜山は叫ぶ〜丹下左膳

徳山璉(たまき)さんは、本来はクラシックの基礎を身につけた歌手ながら、、

当時の時代劇映画の和を基調としたサウンドのテーマソングから、ユーモラスで弾け戯けた曲に、郷愁を匂わせる歌、クラシック、オペラ、戯曲など、、様々な歌曲に対応された歌唱力と味と深みのある伸びやかな声質を持ち、、

そのあまりの自然な変わり身で、聴き手を飽きさせる事がありません。^^




1940年の、、和で民謡調の雰囲気が非常に軽快で軽やかにリズミカルで底抜けにお座敷小唄の様に楽しいながら、、歌詞には戦時下の戦地、死線を滲ませる「天から煙草が」



ルンペン節の様にルンペンにも優しい、、笑  という言葉も出てくる、、

軽快で弾む様な剽軽さで語りかける様な調子がユーモラスであり、、桜への愛おしい愛着がコミカルで笑ってしまう様な楽しい唄の「さくら・さくら」



明るく楽しい合唱が、耳馴染みがよく、優しく耳に刻まれていく、人々に火事予防の大切さを高らかに広める「火の用心」



シットリした情緒豊かな風景、情景描写がたいへんに美しく、、また趣の静かな優しさが、淡くて深い余韻のある「山は叫ぶ」




明るく浮かれて有頂天な歌唱と、徳山璉さんのコミカルな笑い声が挟まれ楽しい、行進曲の様な溌剌とした「僕は朗らか」




鎌倉時代の末期から活躍された武士で、、

その後の戦乱の南北朝時代には南朝の忠臣として仕え、、後々の江戸時代には国民的英雄として非常に愛された武将を題材とした、、1914年の文部省唱歌であり、、大正時代初期だけあり、歴史的な表現が難解ながら、、

その緩やかに淡い哀感の情感が胸に迫る歌唱が往時を偲ばせる「兒島高徳」(こじまたかのり)



長谷川海太郎さん原作で、、大河内伝次郎さん、澤村國太郎さん、山田五十鈴さん、同名の大ヒットした1933年の日活ウェスタンのトーキー第1作とされる時代劇 映画のテーマであり、、

和の情緒の流れる勇ましい曲調に淡い哀愁がそこはかとなく漂う「丹下左膳



徳山璉さんのクラシックのオペラの本領が、その高らかで甘い歌唱と声質で真面目に そのまま、威風堂々と、そして悠然と発揮されている「カルメン



フランスの作曲家のジャック・オッフェンバックさんによる、、ジェロルスタン女大公殿下、、 の喜歌劇中の登場人物の暴君な将軍からの、、

大將閣下の名はブム・ブムのテーマである、、愉快でユーモラスな曲を豊かに豪快に歌い上げた「ブム大将」




重苦しい哀愁を淡く優しいギターサウンドに寂しげに帯びている「故郷の港」



などなど、その音域の幅と、表現の幅には眼を見張るものがあり、、歌への造詣が深い上に、感も鋭く、感受性も豊か、、と天賦の多彩な才能を感じずにはいられません。^^


チェッカーズ 3 〜神様ヘルプ!〜OH!POPSTAR〜Song for U.S.A.

チェッカーズはアイドルを名乗り続けているだけあって、、


ピンポイントに、若さで溌剌とした、または揺れる若者の胸に刺さる様な、耳馴染みが良く、、

それでいて自然で等身大さの強い、極めてポップな歌を若々しく高らかに歌われています。^^


ロック バンドでありながら、そのアイドル性は、、ある意味で作られたもので、常に商業ベースを意識しているとも言えますし、、人の心にもその分、、幅広く、直に遮るものなく届きやすいとも言えます。^^



離れていく相手の行動を食い止めたい、マイナー調の焦燥の疾走感がテンポよくリズミカルに流れる「神様ヘルプ!」




そっと見守り包み込む歌詞が非常に暖かで、優しさの溢れたロマンティックなバラードの「ひとりじゃいられない」



歌詞にポップスターとなったことにより、はぐれてしまった淡い儚さを映し出し、、明るいサウンドながら、爽やかで優しい哀感の情感も滲ませている「OH!!POPSTAR」




心が強力に囚われてしまい、悔しがる歌詞がコミカルで、、

激しく楽しいロックな軽快さと、挟まれるシャウトが、非常に熱く弾んでいて、ユーモラスな「おまえが嫌いだ」




浅野温子さん、秋野太作さん、蜷川幸雄さん、、往年の昭和期の大女優の山田五十鈴さんの旦那様であった下元勉さんらと出演された同名の映画のテーマの大ヒット曲であり、、

淡い夢の儚さを匂わせたサウンドの、暖かで静かな哀感の中に、爽やかな明るさが弾けて流れていく優しいバラードの「Song for U.S.A.」




オールディーズなムードが賑やかで、はしゃぐ様に明るく楽しさの溢れたポップさが弾ける「WA WA WA」




ファンキーでアメリカンなクールさが、アップテンポに洒落ているロック サウンドの「NANA




優しく暖かなロック バラード感が淡く優しく響く「Mr.BOYを探して」




などなど、、その青さ、若さの滲み出る藤井フミヤさんの声質と歌唱は、当時の若者の想いをリアルに気負わずに表現しているかの様であり、、


その上に非常にポップでキャッチーな軽やかさを存分に、、縦横無尽に発揮されています。^^

佐藤千夜子 1 〜東京行進曲〜当世銀座節〜青い芒

佐藤千夜子(ちやこ)さんは現 東京藝術大学で学ばれたクラシックの声楽由来の流行歌歌手であり、日本初のレコード歌手と言われています。^^



中山晋平さん作曲で、大正時代に流行した歌であり、、松井須磨子さんの歌唱でも知られ、、

淡く遥かな優しさが心地良く、、クラシックなオペラ歌唱が長閑に響き渡る「ゴンドラの唄」



高級品であった蓄音機の普及に貢献したとされる1929年の中山晋平さん、西條八十さんコンビによる大ヒット曲で、、

同名の菊池寛さんの小説が原作  夏川静江さんが出演された映画のテーマでもあった、、

当時の東京の近代的な洒落た風景を、ややマイナー調サウンドに叙情的に情感豊かに歌われた「東京行進曲」



1928年に上記の二人のコンビにより発表された、、

明るく楽しげなメジャー調に、華やぐモダンで横文字の溢れた当世風の銀座を等身大に映し出した「当世銀座節」




淡々とした趣が、そのままシットリと静かに流れていく、、当時の風俗の偲ばれる「紅屋の娘」



スコットランド人のお父上とのハーフ(ミックス)の、テノールのオペラ歌手 藤原義江さんも2ヶ月後に歌われ、、それぞれにヒットしていた曲であり、、


漁村のどこか侘しい情景を、民謡的な掛け声を歌詞に歌いつつ、静けさのマイナー調の儚げな

波浮の歌」



1925年のラジオ放送開始と共に歌われはじめた佐藤千夜子さんの1925年のデビュー曲で中山晋平さん作曲、野口雨情さん作詞による、、


静寂の中に、神秘的で幻想性のある器楽のサウンドが優しく、、また淡く遥かに民謡調で、夜の自然、星、蛍の情緒の不可思議な美しさが表現されている「青い芒」(すすき)




などなど、そのオペラでの基礎 由来の歌唱のソプラノの伸びの美しさは素晴らしく、、

当時は流行歌がクラシックの歌よりも かなり格の下がる低俗なものと認識されていた時代にあって、、


東京藝術大学で学ばれた、かなりのエリートと言える佐藤千夜子さんの勇気は賞賛に値するものです。^^

徳山璉 1 〜侍ニッポン〜ルンペン節〜ビールの歌〜キリンビール酒場の唄〜ホの字の唄〜小林千代子

徳山璉(とくやま たまき)さんは、東京藝術大学で声楽を学ばれた方で、、


淡谷のり子さんと同じく1930年での流行歌歌手としてのデビューであり、、

そのバリトン ボイスの極めてオペラ風の純粋な歌唱が秀逸な流行歌歌手ながら、、昭和初期に数々のユーモラスで面白い曲をもヒット曲として世に出されています。^^



第二次世界大戦中の15年戦争(太平洋戦争)の戦時下は藤山一郎さん、伊藤久男さん、霧島昇さん、楠木繁夫さん、松平晃さん、藤原義江さん 、波岡惣一郎さん、鈴木正夫さん、佐々木章さん、小畑実さん らと同様に戦時歌謡に移っていかれます。




若々しく勇ましくて、、行進曲の様に明るい士気を高める曲に 轟き渡る様な威勢の良さが明るく元気に盛り上がる「ビールの歌」



パワーが蓄えられると 飲兵衛、大酒飲みを奨励?するかの様ながら、、詩的で情緒的にシットリしたユーモラスさが癖になる面白い曲「キリンビール酒場の唄」




西條八十(西条八十(さいじょう やそ))さん作詞、橋本国彦さん作曲で、、学生たちの意気込みを高らかに宣言した、、

爽やかで若さ逞しい、青年たちへの応援歌の「俺は天下の学生だ」



郡司次郎正さん作の小説からの、、大川内伝次郎さん、梅村蓉子さんらが出演された同名の映画のテーマの、、

勇ましく、情緒豊かなサウンドの進行が独特の懐かしさあり非常に粋で、、歌詞の表現も歴史的で豊かな名曲「侍ニッポン」



行進曲の風味、、そして爽快で底抜けに溌剌と明るい、、巻き舌を駆使された、江戸っ子らしいカラ元気な 投げやり感、輩?感もユーモラスで、挟まれる笑い声も また豪快で楽しい曲「ルンペン節」

(昭和6年よりも昭和9年版の方が、より お行儀良さが取れて、、タガが外れた? より酔っ払っているような? その歌唱表現が驚くほどに豊かで、コミカルな滑稽さが更に増しています。^^ )



同名の竹内良一さん主演の映画からのテーマで、、四家文子さんと歌唱された、、

悲恋を重苦しくて、また儚く淡いマイナー調で寂しげに映し出された「天国に結ぶ戀」(天國に結ぶ戀)




美しい歌声が繊細に高く伸びる小林千代子さんとの一筋縄ではいかない?じゃれ合うような掛け合いが楽しく、、


歌唱も 相手をワザと からかう お調子者の様にコミカルに おどけて おり、、

その明るく軽快に語るような 歌の調子が非常にウィットに富んでいて、、思わず笑顔になってしまう「ホの字の唄」




クラシックでモダンな、、流れるように明るい曲調ながら、、淡く儚い別れの情感を描き出した「赤い灯・青い灯」




なんと◯◯節はじめ!、、と行進曲の掛け声に始まる、弾む軽快な明るさに、、まるまる、、を軽やかに、かつテンポよく歌詞に多用して歌われていて、この上なくユーモラスな「◯◯ぶし」(まるまるぶし)


などなど、巧妙な歌唱はムードを歌ごとに見事に一変、、七変化していて、、有頂天で浮かれた曲調から、、物悲しいテーマ、、勇ましく鼓舞するものまで、、


多種多様で多岐にわたっていて、歌に合わせ 自由自在であり、音楽的センスの鋭さ、表情の豊かさは類い稀で素晴らしいものです。^^

関種子 1 〜窓に凭れて〜あけみの唄〜佳人よ何処へ〜原阿佐緒

関種子(せき たねこ)さんは、現在の東京藝術大学の出身のソプラノ歌手の方で、古賀政男さんの作品を多数にわたり歌われている、、昭和初期の人気歌手だった方です。


また、後に東京音楽大学の講師となり菅原洋一さんを生み出した事でも知られています。




1931年の映画 姉 のテーマであり古賀政男さん作曲の、、

胸に迫るマイナー調の器楽演奏の静けさが強く止めどない哀感を高らかに浮き彫りにした「窓に凭れて」(もたれて)



和の演奏の静かな情感豊かさに、寂しさと悲哀が込められている「乙女心」



重苦しマイナー調のサウンドが儚く寂しげに流れていく「嘆きの夜曲」



美貌の様々な恋愛遍歴で知られた歌人の(映画監督の原千秋さん、、そして美空ひばりさんの主演映画 悲しき口笛 にも美空ひばり さんの兄役で出演された二枚目な美男俳優の原保美さん兄弟のお母様でもあります。)


原阿佐緒さんが原作であり主演の映画 佳人よ何処へ、、

(淡谷のり子さんが歌唱された古賀政男さん作曲、原阿佐緒さんの歌集からの歌詞の、、

爽やかで明るい曲ながらも、強い情熱と妖しさを歌詞に 軽快に映し出した「佳人よ何処へ」もテーマとなっています。)


、、のテーマで寄る辺ない心の哀しみを纏う女性の姿を、静寂な寂しさの漂う中に、ソプラノ歌唱で哀しみを哀切に描き出した「あけみの唄」(また、この頃、、1932年頃の時期は映画の登場人物の女性名が冠された歌が多いです。)



古賀政男さん作曲の1933年の曲で、田中絹代さん、坂本武さん、小林十九二(とくじ)さんらが出演された映画 嫁入り前 のテーマであり、、



和の趣の醸し出されたマイナーな曲調に、別れの悲恋ながら、美しい情緒的な歌詞にソプラノ歌唱が似合う「処女よさらば」




繊細で細やかな歌唱が、、日本橋の情景、風景を映した歌詞に、どこか儚く寂しい、、

短調の叙情的な淡い味わいを添える「日本橋から」




1931年の城多二郎さんの主演された映画 青春図会 からのテーマであり、、

若々しさが溢れ、明るく朗らかな曲調が爽やかで、暖かく優しく、、また繊細で高らかな歌唱が巧みに軽やかに流れていく「青春図会の唄」(せいしゅんづえ)




長谷川海太郎(牧逸馬)さん原作であり、入江たか子さん岡田時彦さん主演の映画 新しき天、、からのテーマの 「南海子の歌」(なみこのうた)



ストリングの音色が緩やかな情緒で、優しくも若い恋のどうしようもない苦しみを描き出す「初恋の唄」




などなど、淡谷のり子さんと同時期に共に流行歌、歌謡曲を引っ張っていかれた、、


その昭和初期のソプラノの代表的な完成された技術は凄まじく、、


滑らかで自然なハイトーンで情緒が紡ぎ出されていきます。^^

河原喜久恵〜麗人の唄〜春の鳥〜ザッツ・オー・ケー〜銀座のモダンガール

河原喜久恵(河上喜久代)さんは、東京藝術大学で声楽を学ばれた方で、ヒット曲を戦前に連発されていますが、、


満州に渡った後に、、終戦後に引き揚げられた後は歌手として世に復帰しなかった為に、、引退も戦前だった人です。



島津保次郎さん監督で、栗島すみ子さん、岩田祐吉さん、八雲恵美子さん、奈良真養さん、藤野秀夫さん、子役時代の高峰秀子さん(なんと男の子役)、、ら出演の1930年の松竹映画 麗人  のテーマであり、、

重厚な器楽が淡々とマイナー調に流れていき、たいへん重苦しい哀感の曲調が胸に迫る「麗人の唄」



モダンな洋風のサウンドに多様な器楽が、厚い存在感を発揮していて華やかであり、、

焦燥のリズムで叙情的に儚く悲哀を描き出し、、リズミカルで軽やかな歌唱が弾む「東京小唄」



明るく軽快なソプラノ歌唱が、非常に高らかで、元気よく溌剌とした行進曲での情景描写が楽しい「海の行進曲」



1930年当時として、大胆で現代的なモダンガールの心情や行動を正直に映し出していて、、

重厚で重たいマイナー サウンドが濃厚に、高らかな歌唱と相まって心地良く響く「銀座モダンガール」



間奏に柔らかなクラシックの愛の夢が挟まれながらも、、

モダンな焦燥の滲むマイナー調で痛切に訴えかける様な歌唱に、、無機質な合いの手がコミカルで面白い、、当時のヒット曲「ザッツ・オー・ケー」



麗人の唄のB面であり、、淡く緩やかな情感、そして しみじみと優しく情景を、和の趣を残しながら叙述していく「春の鳥」




初期の古賀政男さんのヒット曲であり、、ギターのマイナー調の音色の寂しさが、、

サウンドの抑揚も かなり控え目に別れの悲痛さを浮き彫りにした「月の浜辺」




軽々しく身を任せてしまう、寄る辺ない寂しい気持ちを持て余す様を描く、、重たくマイナーなサウンドの情感が胸に迫りくる「だって淋しいからなのよ」



などなど、昭和初期の等身大で自由な女性像を映し出した歌詞ながら、、強烈なドスが効いた低音の響き渡る重厚な洋風の楽器サウンドが見られ、、

それに非常に高いソプラノ歌唱が見事に乗っています。


これらのヒット曲からも洋装の華やかなモダンガール、モダンボーイの存在していた、、世界恐慌の余波を受けつつある昭和初期の時代を偲ぶ事ができます。^^

真木不二夫〜南海の首途〜泪の夜汽車〜パラダイス東京〜恋の十字路

眞木不二夫さん(戦前〜戦時下の軍国歌謡時は小谷潔と名乗っています。)は戦前歌謡の流れを色濃く組み、、


また、その甘くテナーな、高めの軽やかな声質の美声で、、繊細な趣きと心地よさの表現豊かに、歌曲を歌われています。^^



勇ましい重厚さが漂っていて、焦燥のマイナー調がテンポよく、、

終わりに明るさの淡い余韻が残る歌で、、

そこに朗らかで高らかな歌唱の美声が冴え渡る名曲「南海の首途」(かどで)





軽快なマイナー調で、故郷に恋人を連れて、ただただ急いで帰る、、不安と戸惑いの愁いの漂った「泪の夜汽車」




淡く暖かに、、別れの無常ながら、情緒の優しい明るい曲調で そっと人情を描く「恋の十字路」




故郷では結ばれぬ二人が 逸る気持ちで、東京での幸せを切実に夢見る、、やや寂しげな哀感の「東京へ行こうよ」




アップテンポで、ややマイナー調な焦燥感と、はやる気持ちの表れた、、軽やかな歌唱の「パラダイス東京」





バッキー白片さんとアロハ ハワイアンズの演奏で、、

船乗りの 寄る辺なく、さすらう胸の内が、、緩やかな穏やかさの中に、優しく包み込まれる様なハワイアン サウンドに 柔らかに流れていく、、平川浪竜さん作曲の「霧の港」





倉若春生さん作曲の、、爽やかで軽快な長調の明るさで、逢えない胸の痛みの苦しさを趣深い歌詞で映し出す「慕情岬」「わかれ岬」「たそがれ岬」

そして、より軽やかさが弾む歌唱が楽しい「みかえり岬」



などなど、、調べたところ、岡晴夫さんの大ヒット曲である底抜けに明るく楽しい、旅の憧れを掻き立てる「憧れのハワイ航路」の影響下に、、

船乗りをモチーフとした歌曲であるマドロス物は、、バタヤンこと田端義夫さん、、


そして、、まだ頰の膨らんでいない若々しい宍戸錠さんの出演された映画のテーマである「若いお巡りさん」で特に知られた、、

曽根史郎さんらも得意とされていた模様です。^^


淡谷のり子 1 〜別れのブルース〜雨のブルース〜君忘れじのブルース〜人の気も知らないで〜夜のタンゴ

淡谷のり子さんは、歯に衣(きぬ)着せない、あまりにも豪快で率直な物言いと、、

その あっけらかんとした包み隠さない自然体な語り口調がコミカルで、とても面白かった方で、、よくバラエティなどにも出演されていましたね。^^


歌唱力はクラシックの素養があり高く、、そのソプラノ歌唱は玄人向きで たいへんな完成度を誇っています。^^



1930年の曲で、非常に高音のソプラノの歌唱に、間奏に一瞬の哀感が漂い、、

流行歌の軽やかさと、ユーモラスな明るさが弾む「夜の東京」



1929年のアメリカの同名の、、

当時 非常に有名だったエンターテイナーであるモーリス・シュヴァリエ主演の映画 The Love Parade  のテーマのカバー曲で、、

明るく幻想性の緩急が柔らかであり、、細やかに滑らかに歌唱の変化に情感が付けられる繊細さが冴え渡っている「ラブ・パレード」




古賀政男さん作曲の 当時の文語調での哀感の歌詞に、、和の情緒が淡く、、また儚げなマイナー調の「私此頃憂鬱よ」



同名の松竹映画の主題歌であり、、その和の曲調が淡谷のり子さんには珍しく、、物悲しいマイナー調の焦燥のムードがシットリと漂う「乙女のさすらい」



哀愁の漂う、、重厚ながら軽快なアップテンポさ、、かつドラマティックなマイナー調に、恋い焦がれる焦燥、、 幻想的に心情の情景が美しく映し出された「嘆きの都の唄」



1937年のヒット曲で、、儚く重苦しい永遠の別離を淡々としたマイナー調な曲調に表し、、

果てない悲嘆の繊細な情感を、歌にのせた「別れのブルース




静寂の夜の情景にある、、侘しさ辛さが叙情的に遥かに歌唱された「思い出のブルース」



小刻みな綺麗なビブラートで情緒的に、果てのない嘆き悲しみを、、シットリと寂しげな高らかさで描き出した「雨のブルース」




1938年の、お洒落な淡いマイナー調の悲嘆が綺麗に煌めく、、とても寂しげなサウンドの「人の気も知らないで」



重厚なタンゴのサウンドに マイナー調の侘しい切なさが、、そっと胸に忍び込むような哀感であり、儚さが迫る「夜のタンゴ」



1948年のモダンなマイナー調に、淡い繊細な歌唱に込められた哀切さが、静かにシットリと流れていく「君忘れじのブルース」




などなど、、戦前から数々のヒット曲、、ブルースや洋画のカバー曲など、、を類い稀な繊細さのあるソプラノ歌唱で細やかに巧みに歌われていて、、

その情緒あふれる豊かな表現力に魅了されます。^^

藤島桓夫 2 〜また来た港〜村の駐在所〜月の法善寺横町〜

藤島桓夫さんは愛称がオブさん、、なのですが、その由来の理由は判らず仕舞いで、、


ただ、一説には大好きだった 御茶漬けから来ている可能性がある、、との説が紹介されていました。^^


その民謡調の滑らか かつ高らかな節回しと、声質は、、豊かに 浮世の人々の人生や悲喜を、変幻自在に淡い情感とともに描き出します。^^



ややマイナー調の静けさの哀感に、、再開に逸る心の喜びを淡く表した「かえりの港」




シットリとした悲哀の別れを告げつつ旅に出る、、民謡調の節回しが切ないマイナー調の「たった一言なぜ云えぬ」




離れた故郷を偲ぶ船頭さんの心を映し出し、、寄る辺ない人生が寂しい曲調ながらテンポよく描かれた「流し舟唄」



語りかける様な口調での、軽快で明るい歌唱がコミカルで楽しく、高らかな調子が幸せに弾む「また来た港」



村の娘さんの若いお巡りさんへの片想いの恋と、、その失恋の侘しさをそっと客観的な情緒とユーモアで柔らかに映し出した「村の駐在所」



上方情緒の儚い淡さと、重厚な胸に迫る静寂の切なさに、、

修行の旅に出る決意と、若々しく爽やかな台詞が 非常に いじらしい、、大ヒット曲「月の法善寺横町」(横丁)




なもなど、さまざまな深みや渋み、、そして暖かな柔らかさの趣が和の器楽の流れ、、また民謡風な曲調に散りばめられ、卓越した なだらかな歌唱は歌の世界に 華を添えています。^^

耳の変化〜音楽〜馴染む

私の場合は音楽は1970年代の音楽を聴くと70年代の耳になり、、1930年代を聴くと30年代の耳になる気がします。^^汗




何というか、同じ年代の曲ばかりを連続で聴き続けていくのがスムーズになり、非常に楽しくなる状態と言えましょうか。



それは70年代の音楽の後は80年代や60年代のサウンドは比較的 自然に聞けても、、90年代や50年代を聴くと一時的に受け付けにくくなっている、、という感覚? の様な気がしています。


(やはり曲調や、そのサウンドが まとう雰囲気、、構成や進行、展開など、、更にはその曲の作られた時代の空気感がまるで違うからなのでしょう。)




それも少しばかり耳に馴染ませて聞いているうちに直ぐに治るのですが、、

なかなか治らない日も稀にあったりします。^^笑



とはいえ、どの年代の音楽も好きな身としては、、

やがてはどの年代をいつ聞こうが即時に、気持ちが対応できる日が来るのが、実は今から楽しみになっています。^^


必ずしも、そうならなくても今も十分に楽しく聞けている気もしますけれどねー。^^笑

竹山逸郎〜泪の乾杯〜異国の丘〜別れの夜汽車

竹山逸郎さんは、和の悲哀が軽やかに流れるようなマイナー調な曲調に似つかわしい、、

そこはかとない哀切さの趣きを感じさせる歌唱をされる方で、、声質はレコードでも聞き取りやすい やや高めのバリトン、、

当時の流行歌らしい心に沁み入る様な声質をされています。^^


また、戦後に数々のヒット曲を残された平野愛子さんと御結婚されていた事でも知られます。

(「月よりの使者」ではもう片面は平野愛子さんの曲になっています。)


淡く焦燥のマイナー調に、別れの重苦しい情感の表れた「泪の乾杯」



平野愛子さんのブルース調に行き場のない悲しみが描き出された「君待てども」など、数々のヒット曲を担当された作曲家の東辰三(あずま たつみ)さん作曲であり、、

間奏に重く寂しげな囃子を挟みつつ、、若き日々の募るばかりの悲しみを明るい情緒に柔らかにそっと滲ませる「熱き泪を」



アップテンポの中に儚さと悲しみがあり、、帰り着きたい想いの はやる気持ちがマイナー調で映し出されていて、遥かな愁いのある「異国の丘」(異國)




浮世の人生の遣る瀬無さを、和の哀感の情緒で歌われた「流れの船唄」




1949年の佐伯孝夫さん作詞、佐々木俊一さん作曲の、、

もう逢えないであろう別れの哀しみの心残りを 日本的なサウンドで、リズムよく軽快ながら、戸惑いの余韻が残る「別れの夜汽車」



軽快なハワイアンの様な、弾む穏やかな明るい曲に、、流れのギター引きの後ろ髪を引かれる心残りの想いを胸に秘めた「旅路の果ての港町」



などなど、戦後のデビューされた竹山逸郎さんですが、、

戦前の日本の人々とともにあった伝統的な流行歌の世界を忠実に継承された歌唱は、深みがあり、江戸情緒の名残を残しつつモダンな情景描写は叙情が豊かに溢れています。^^